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#52 古代ギリシアから現代へ一世界を変えた「チ」の物語
2025年08月14日
みなさんこんにちは!
第 52 回のブログを担当します、情報システム管理部門の一川です。
突然ですが、皆さんは『チ。-地球の運動について-』という漫画をご存じでしょうか?
2020 年から連載が始まり、2022 年に完結。そして 2024 年にアニメ化もされました。
一見すると「学問モノ」や「歴史モノ」に見えるかもしれませんが、この作品の真の魅力は、“知ること”に人生を懸けた人々の姿にあります。
物語の舞台は、地動説が異端とされる時代。そんな中で「地球は動いているのでは?」という、たった一つの素朴な問いが、登場人物たちの生き方や社会の価値観を大きく揺るがしていきます。ネタバレを避けるため、物語の詳細には触れませんが、『チ。』を通して描かれる「地動説」や「天動説」といった考え方は、実はずっと昔――古代ギリシアから続く、壮大な知の歴史の一部です。
たとえば、地動説を最初に唱えた人物がとして知られているのが、古代ギリシアの天文学者アリスタルコス(前 3 世紀)です。彼は、地球が太陽の周りを回っているという説を提唱しました。しかしその考えは当時ほとんど受け入れられず、長い間忘れられてしまいます。
そして後の時代、2 世紀のプトレマイオスが唱えたのが「天動説」。こちらは「地球が宇宙の中心で、太陽や星が地球のまわりを回っている」というものです。この天動説は、キリスト教会の教えと結びつき、長いあいだ「正しい宇宙観」として世界に受け入れられていきます。
しかしその“常識”に異議を唱える人々がいました。命の危険を承知で、「真実を知りたい」と願う人たち。『チ。』は、そんな人たちの物語です。
『チ。一地球の運動について一』(魚豊/小学館)」
この作品を読んでいると、「知る」という行為が、どれだけ尊いものであるかを改めて考えさせられます。
そして、「知ろうとする意志」は時に危険と隣り合わせであるにもかかわらず、それでも人はそれを求めてしまうのだという、強烈な人間の本能のようなものを感じます。
歴史や科学に興味がある方はもちろん、
「今の世界の“当たり前”って、いつから、どうしてそうなったの?」と疑問を感じたことがある方には、きっとささる作品です。
アニメも完結したばかりなので、気になった方はぜひ一度、手に取ってみてください。
あなたの中の“問い”が、少しだけ深くなるかもしれません。
【公式PV】
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